家庭教師体験談としてまずは教師の側の意見をまとめてみました。
高校受験家庭教師の場合
中3の生徒さんを8月ころから指導を始めて、会社からの資料には「模擬テストの結果偏差値で英語42、数学39、国語48。英語は基本的な文法知識にムラがあり、数学に関しては中学の内容がほぼ抜けている」とのこと。塾は中2のころから通っているものの、自宅学習は定期試験直前の付け焼き刃程度で、普段の学習はほぼ皆無の状態みたいでした。一夜漬けなので通知票は2の方が多いといった具合。
指導初日は英語と数学を1時間ずつ、知識の確認や現在のレベルを計って終わりました。すでに高校受験生は3人見たことがあったのですが、今までのどの生徒よりも基礎が抜けているのは明らかですね。授業後に思い切ったプランを提案。まずは中1のころからざっと1ヶ月で復習をしようと・・。しかし幾ら成績がよくないからと、やはり中1から戻って学習することに、生徒さんはなかなか納得いかないようでしたね。この事は親御さんも全く同じでした。受験まで今は8月ということは、半年も期間がないわけです。そこでこの提案ということですから、焦りと受験対策のための家庭教師なのに・・といった思いがあるのは無理もありません。
ココは何とか説得して、納得してもらうしかありませんでした。受験のためのテクニックは確かに塾で習得できるでしょうが、目標を持っていきたい学校を目指すとなると、その後の応用力やそもそもの基礎がなければ、自身というものは見につかず結局付け焼き刃でプレシャーを感じながらの受験となり、イザとなると覚えていたことを緊張のあまり忘れることだってあります。元々学習の習慣がなかったわけですから、そのことの重要性をわかってもらいたいと思ったわけです。暗記にしろ、勉強は例え好きでなくとも苦ではない状況をつくれるのは、閉鎖的な空間でするよりも自宅で納得いくまで質問できる家庭教師があっているという私自身の自負もありましたから・・・・・。
指導後しばらくしてわかってきたことは、そこそこ難しい問題を解けるのに、すごく基礎的な問題が解けないといったことでした。つまり学習の習得の仕方に偏りがあるということでした。試しに同じような問題に対し視点を変え、別の問題として解いてもらうとわからない事態に陥るわけです。そこでひと月の間中、中学一年生の問題集を徹底的に解かせてみて、間違えた箇所を何故間違えたのかを分析、解法がわからないときは例えパターンを暗記していても理解できてないところは、わかってもらうまで説明することにしました。
その後ひと月が過ぎるころには、本人も中一の問題集とはいえ自信をつけたようで、「学校の授業がわかるようになってきたよ」と口にしてくれた時、自分のこの方法が間違いないのだと確信しました。
問題が解けるようになると、案外面白いもので成績も上がり、勉強することが苦痛でなくなり、以前は勉強嫌いな生徒でも積極的になるものです。つまり元々勉強が嫌いなのではなく、理解できないから嫌いになるわけです。彼は他の勉強でも俄然、力のいれ具合が以前とは違ってきました。12月下旬ようやく基礎を終え、後は過去の問題集をつかっての演習というところまでこぎつけました。とまあ、一見すると順調のようですが、一番苦労した点もあるにはありますね。それは本人の親御さんへの反抗。年頃がそういう時期なので、仕方ないといえばそうですが、本人の目の前では生徒の味方をして、生徒さんがいないところでお母さんに報告するようにしましたね。これが3者で話し合いになると、途端に話がまとまらず、特に母親からの意見は全く受け付けないので、勉強に関することは、私自身から自分の意見としてお母さんの要望を本人に伝えるような努力をしました。
この生徒さんの場合、理解を十分に出来てないのに、鵜呑みにしてしまう一種の”クセ”が目立ちましたので、これが今回このような指導を選択した理由でもありました。そこで定期的に以前習得した問題をたまに解いてもらうなどして、徹底的に理解させることに重点を置きました。
その後本人は見事、志望校に合格。私も吉報を聞き安堵で胸をなで下ろした次第です。
家庭教師といえばマンツーマンの授業、塾などに比べれば自分だけに教師がつくといった印象がありますよね。高校受験や大学受験のように受験学年で猛時間がせっぱ詰まってる状況で、頼まれることが多いです。指導料が塾に比べれば1回辺りどうしても割高の印象があるせいか、お金持ちの家庭が多いような気がしますが、実際には少子化の影響で一人っ子が多い世の中。それに塾ですと帰りがどうしても夜になるため、最近の事件などの影響で夜中にお子さんを一人歩きさせたくないと、あえてお願いされることが多くなってきているように思います。
最近の傾向としては、塾の復習を家庭教師に依頼することがあります。ちょと不思議に思うかも知れませんが、高校受験や大学受験では塾のかわりとして家庭教師を依頼されることは普通ですけど、中学受験などは塾で習ったことをお子さんに学習内容を定着させるために家庭教師に指導してもらうことが増えてきているのです。
というのも中学受験の専門塾は授業速度が大変早いことが多く、宿題の量も半端じゃありません。1~2週間周期で「復習テスト」、「単元テスト」やその他カリキュラムに応じた確認テストが実施されます。その結果によってはクラス順位が上がったり下がったりしますから、上位のクラスを維持していないと難関校への合格は厳しいわけです。それだけでなく志望校への受験さえ許可しない場合だってあります。
中学受験に関しては、塾が優位という現実があります。従いその手助けとして家庭教師があるというわけの様です。
親御さんにしてみれば、高い授業料を払ってるわけですから、あれこれと色々教えてもらいたいと願うものです。しかし危険なのは学習が未消化になってしまうことです。そうじゃなくても元々が塾の学習が未消化になってるお子さんですので、あれこれ教えるということは塾の立場と同じということになってしまいます。復習と宿題を勉強するのは週1で2時間の指導で1教科ぐらいが妥当で、あんまり欲張るのはよくないような気がします。嫌いな勉強をいっしょになってするわけですから、やはりお互い相性がよくないといけないので、面接は非常に重要に感じます。
利用者の体験
塾に時間を割かれるということは、考えてみれば子供達に自分の時間を奪われるということですよね。家庭教師なら子供達に時間を有効に使わせることが出来ると思います。それに遠くの塾に通わせるとそれだけ帰宅時間が遅くなり、それに合わせ自然と食事時間も遅くなります。これは自分の子供の生活リズムを夜型にさせてしまうことになりかねません。結果、寝不足で昼間学校に行っても授業に集中出来ず、せっかく塾に通わせたのに効果は期待できないことも多いんじゃないかと。
これは実際に近所に塾に通わせているご家庭を見ていて、そう感じた次第です。家庭教師であれば、塾通いに使う時間を有効に使って子供に合わせた学習プランを立てられますが、これはひとえに家庭教師の選び方にかかっています。やはり面接は詳細な打ち合わせは不可欠ですが、初めのころは有名な所だからと、とある家庭教師派遣会社にお願いしたところ体験学習の時と、実際指導に当る先生とは違っていたり、結局2度ほど講師を替えてもらいましたが納得できず、塾は通わせた状態でひと月ほど調べ廻って、大学のサークルとしてやっている家庭教師を、近所の知り合いから紹介されて利用しました。若い先生というか学生ですが、子供と年令が極端に離れていないせいか、うち解けて子供も相談にのれてるようでした。
ただひとつ気になったのは、その先生から雑談を打ちきるタイミングが難しいということをおっしゃっていたこと。塾には期間ごとにカリキュラムがあるので、問答無用にどんどん進んでいきますが、やはり思春期の子供のことですから、色々と悩みが多いものです。そうした相談はやはり相手をしないと子供の気持ちが落ち着かないと考えてしまうようで、時として指導の妨げになるということもあるみたいです。でも、考えてみれば親が知らない悩みを打ち明けられていることになるわけですから、なんかそうした相談を持ちかけられていることは、その先生は子供から信頼されているのかなあとも感じましたね。
素直にそうした率直な意見を話してくれる先生なので、こちらとしてもちょっと安心しました。やはり受験生ですから、合格しなければ話になりませんが、だからといって詰め込みすぎて追いつめられた子供というのもどうかと・・。
塾では進学に対してシビアな現実があるかわり、そうしたうち解ける環境で学習できる機会を持たせる事が出来たのは、むしろ家庭教師を頼んでよかったと思える一面です。
家庭教師にまつわる悪いうわさ話もよく耳にすることもありますが、やっぱり期日に迫られた状況で選択することから、色々と問題があるようです。日頃からの学習の手助けとしてなら、家庭教師もアリだなと感じています。